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ショパンコンクール セミファイナル合格者発表後の牛田智大さんのツイート

ショパンコンクールもいよいよ今日からセミファイナルに突入いたします。

今回の結果発表の一番のショックは、ファンがダントツに多い牛田智大さんの落選でした。

でも、ショックから立ち直れないのはファンの方で、牛田さんの方は自分の演奏を冷静に分析して次への糧とされているようで、頭が下がります。

小さい頃から天才と騒がれながら、奢ることなく真摯に音楽に向き合う姿には胸が打たれます。

若干22歳の青年の清々しい姿から私もたくさん学ばせていただきました。

将来が益々楽しみになりました。🎵

🎶以下、牛田さんのツイッターより抜粋

このコンクールで審査をしてくださっている先生方は、音楽家として心から尊敬する存在で、演奏を聴いていただけたことをとても光栄に思っております。今回の判断を心から支持しています。一方で、ご期待を寄せてくださっていた皆さまには、結果という形で報いることができなかったことを本当に心苦しく、申し訳なく思っています。

今回はなかなかホールの音響がつかめず、最大音量を見極められないままラウンドを終えてしまい、ダイナミクスの構成や音色の調整が狂ってしまいました。ホールの音響上自分の音量が足りていないのではと錯覚してしまい、不自然な力で芸術的でない飽和した響きを引き出してしまった瞬間がありました。また、響かないホールで無理やり音量を出すために、バスや最も重要な音を少し遅らせることで倍音の効果でピアノが鳴っているように聞こえさせることができるのですが、これをホールの音響を探るうちに無意識に多用してしまっていたようです。(左右のズレは20世紀の典型的なテクニックではありますが現代ではあまりふさわしいとはいえません。もちろんポリフォニックな部分や旋律がレチタティーヴォ的になっている部分では声部ごとのイントネーションの違いから必然的なズレが生じるのは自然な範囲内であれば許容されるべきだとは思いますが)計算違いが重なり想定していたものとはかなり違った音楽を提示する形になってしまいましたが、自分にとっては準備の過程のなかで作品についての勉強をたくさんさせていただけたことが、かけがえのない経験と財産となりました。今後より成長して、また皆さまに聴いていただけるよう精進したいと思います。また再び皆さまと偉大な作曲家の音楽を共有できる日を楽しみにしています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 牛田智大

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